薔薇雪の夜
真紅の花びらに指先濡らして
私は眠りから覚める
覚醒のとき つめたい時の流れ
鋭い棘が夜を切り裂く
薔薇の雫が頬を濡らし
唇に降りてくる
風は吹き荒れ 水は波打ち
私の心を写す
恐ろしいほど漆黒の髪に
真紅の薔薇が降りしきる
雪の夜
私は独り 薔薇の中で立ち竦む
漆黒の闇の中
純白の雪と 真紅の薔薇が
降り積もる
まるで幻想のような夜