羽の浄化
ましろの羽が降りそそぐ
水より軽いその羽は
緩やかに円を描きつつ
その身に蒼い水を含む
月の光に抱かれ
純白の羽はかすかに
光を放ちはじめ
海の中を照らしだす
深海に沈んだあらゆるものを
浄化するために
ましろの羽は沈みゆく
羽が水面にもどるとき
ましろの羽は色を変え
海に沈んだものたちの
こころの色に染まるだろう
けれどそれは 新月の夜
昏き海のほかは
戻り来る羽を見るものはいない