機械都市
そびえ立つ黒いビルのなか
私はさまよう
暗い森をさまようよりも
ずっと恐怖に怯えて
ひとの気配が感じられない
その機械都市のなかで
私は独りきり
歩き続ける
いたるところに散らばる
鏡のような硝子に
映し出されたのは
すでに私ではなく
石か木のように
こころなく動き回る
生気のない
まるで機械のような人々
感情までも
封じ込めたかのように
それぞれは心のなかで
自分だけは生きていると信じる
そう思った瞬間
ひとは機械にかわる
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