言霊

 

小さく囁かれた言葉に

涙が零れるように

この心が求めているものを

何故知っているのでしょう？

 

誰もが深い深い場所で求めている

ひとつの言葉

 

たったひとつの音で

総てに赦される気がして

 

その音が

身体に沁み込んで

いつか総てにゆき渡るまで

動くこともできずに

立ち尽くす私を

動かそうとするひとつの言葉

 

鍵を握っているのは

他の誰でもない貴方

 

他の誰もが知らなくても

貴方だけは知っているはず

私の求めている言葉

 

そして

私自身も知っているはず

貴方の求めている言葉

 

誰もが記憶の底に封じ込めている言葉

貴方が揺り起こすことができる日まで

私も知らないふりを続けているから

 

 

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