狂気の眠り
私は多分既に狂っているのだ
正気と狂気の狭間でただ漂い
狂気のままこの人の世を生き
ふと我に返り
己の狂気に恐怖する
ああどうすればこの狂気から逃れられるのだろう
私の思考力は絶えることなく
この頭脳も明晰に働いているというのに
私は狂気の中にいるのだ
狂気から逃れる為に私は眠るというのに
何故人は私を揺り起こそうとする?
狂気を目覚めさせてなんになる
その恐ろしさが何故わからぬ
自分が喰われてゆく心地がどんなものか知りたいのか
ただ放っておいてくれればいい
私は狂気をこの身体に封じ込め
ただ眠るのだから
この苦しくも甘美な
狂気の眠りを
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