飲み下せぬ棘

貴方の言葉を信じられないのは
きっと私が素直じゃないからなのでしょう

貴方が必死で言い募る
奇麗で正しい言葉を
貴方が優しく囁く愛の言葉を
私はどうしても飲み込めないのです

本心からの言葉だということを
疑ってはいません

でも

でも

貴方の奇麗すぎる心を写したその言葉は
私には飲み込めないくらい痛いのです

喉に刺みたいに突き刺さる言葉

私は必死でそれを
体内に受け止めようとするのだけれど

涙がただ溢れるだけで
飲み下すことはやはりできないのです

貴方の正しさは
真っ直すぎて私には飲み込めず

そのために私は貴方を傷つける

光の届かぬ水の底で
遥か遠くの陽にあこがれ続けるみたいに
見たこともないくせに信じているその存在を
ただひたすら求め続けて

それでも
どうやっても飲み込めないものを
喉を切り裂いてまで飲み下そうとは
どうしても思えぬ
そんな私の弱さを許して下さい

できることならば
見捨てていってもらってもいいのです

それができない貴方だと知っていてなお
私はこんなことを言うのですが
その狡さに気付かぬ貴方は
ただやはり優しく甘く痛くて
私を差し貫き続けるのです


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