紫月
菫彩の夜明に
紫の月が残る
夜の世界の監視を終えた
その月は
次第に彩を失う
夜の彩から
朝の彩へと
その一瞬の間にのみ
存在する紫の月
夜でもなく
朝でもない
何物にも属さぬ
自由の月
そして
孤独の月
その光を得るために
長い夜と朝を過ごす
それはすべて紫月のために
紫月の孤独を癒すために
いつか
この月が
他の何物かを癒すまで
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