月の記憶
月
星々の始まり
太陽よりも先に在ったモノ
ただ月は輝くことなく
静かに在るだけだった
自分では輝けない月は
太陽の訪れを
ひたすら待ち
太陽の光に歓喜して
光を放ち始める
光より闇が先に在るように
太陽より月が先に在り
闇の空を照らしだすために
自分の半身を待っている
それは遠い月の記憶
そして月は
今夜も記憶の底に
沈みゆく
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