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紅竜の巫女

〜序章〜

私の力は、あのヒトのためにある。

私は紅竜の巫女。
でも、私の力は彼のためには存在しない。
私の力は…すべてあのヒトのためにあるのだ。

それは、他ならぬ紅竜が望んだことで、
私は彼を愛するが故にその意志に従う。

私は、誰よりも憎く、誰よりも愛する女性のために生きる。
あの人が、私の愛するあの人が、 彼女を愛する限り、彼女の生を望む限り、 私はあのヒトのために生きる。

それは、とても悔しくて、とても惨めで、けれどとても誇らしい、 私の唯一の存在意義だった。



   一章

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