蒼竜の巫女
〜序章〜 蒼い蒼い世界の底。 ゆらゆら揺れるこの世界は、 儚く脆い私のよう。 この湖は竜神の護る場所。 ヒトを護るために、 力ある竜王と、 力ある巫女が住まう場所。 けれど、私は。 「蒼竜の巫女」と呼ばれるようになって百年。 けれど、私は、一度だって蒼竜様の助けになったことはない。 私は、何のためにここにいるのだろう? 蒼い蒼い世界の底で、 私は自分を見失う。 百年の歳月も、 私を救いはしないのに―――。
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